M&Aは多くのプロセスを経ながら進めていきます。また、各々のプロセスでさまざまな必要書類や契約書が作成され、提示や交付がおこなわれます。
それではM&Aの手続きに沿って、必要書類や契約書について見ていくことにします。

M&Aのおける必要書類や契約書は?

M&Aでは、その戦略の策定から始まり、M&Aのクロージング、そして事業統合(PMI)に至るまで多くのプロセスがあり、その要所要所でさまざまな必要書類や契約書が作成・交付されます。
一般的に、これらの書類・契約書はM&Aアドバイザーや仲介業者が作成します。
以下、必要書類・契約書の具体的内容などを見ていきましょう。

アドバイザリー契約

M&Aを行うには、複雑な手続きや専門的な知識、ノウハウなどが必要ですから、売手側企業・買手側企業が単独で実施するには無理があります。M&AアドバイザーやM&A仲介業者などのプロに依頼する必要があります。
これらM&Aプロとの契約がM&Aアドバイザー契約で、特定の1社に依頼する専任契約と不特定の複数社に依頼する非専任契約があります。
アドバイザリー契約を締結する上でのポイントは、売手側・買手側双方のマッチングを最適にする体制をとった事業者か、多くの実績を持っているか、料金体系は明確か、誠意があるか、といったことです。

買収候補企業リスト(ロングリスト・ショートリスト)

M&Aの買収企業を選択する際、M&Aアドバイザーなどから受け取る一覧表で、数十社からなる「ロングリスト」と、10社前後に絞り込んだ「ショートリスト」があります。ここからさらに数社に絞り込むといった手順になります。

ノンネームシート(ティーザー)

ある程度絞り込んだ買収候補企業に開示する書類として、「ノンネームシート」があります。売手側企業についての概要を記したA4版1枚からなるもので、「1枚もの」あるいは、「ティーザー」などとも呼ばれています。

秘密保持契約書

「ノンネームシート」で、売手側企業に関心を持った買手候補側企業との間で、情報公開する際、業務、財務内容などについて外部にリークしないよう確約のために交わす契約書です。

インフォメーションパッケージ(IP)、インフォメーションメモランダム(IM)

「秘密保持契約書」により情報公開が進む中で、さらに売手側企業についての詳しい企業概要書です。これにより具体的に交渉するかを検討します。

意向表明書

買手候補側企業から売手側企業に具体的な買収の意思を表明した書類です。「LOl(LetterOfIntent)=レター・オブ・インテント」などとも呼ばれます。
希望買収金額や買収条件などを記したもので、原則、法的な拘束力はありません。

基本合意書

トップ面談・交渉を重ねることで、「意向表明書」よりも具体的な内容となった書類です。「MOU(MemorandumOfUnderstanding)=メモランダム・オブ・アンダースタンディング」とも呼ばれます。

デューデリジェンス(DD)

デューデリジェンスは、最終譲渡契約書締結前に、買手側企業が受けた情報内容の正確性を調査するための手続きと、その結果に関する書類一式です。
ここで大きな問題がなければ、最終譲渡契約へ進むことになります。重点事項に絞って調査することが大事です。

最終譲渡契約書

これら一連の手続きが終了すると、株主総会や取締役会などで承認を受け、最終譲渡契約の締結と契約書の交付が行われます。通常、契約締結日と決済によるクロージング時は一致しません。そのため、クロージングまでに履行すべき事項も契約事項として記載しておく必要があります。

最終合意書

最終合意書は、クロージングにより一応終了したM&A後の、一定の保証期間についての取り決めです。この合意書により、M&A当事者双方に事業統合についての義務が生じます。

以上、M&Aのプロセスにおいて必要とされる書類や契約書について、流れに沿ってみてみました。